ゴルフのGPS距離計は何が得意で何が苦手?向く人の条件を解説
同伴者が「グリーンの手前まで、あと何ヤード」とすぐに口にするのを聞いて、「GPSの距離計って便利そう」と思ったことはありませんか。
でも、どんな仕組みで距離が出ていて、どんな場面で頼れて、どんな条件だと外れやすいのかまでは、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ゴルフのGPS距離計は衛星の電波とコースのデータから、グリーンの手前・奥やハザードまでの距離をまとめて見せてくれる道具で、ピンそのものまでの距離は得意ではありません。
この記事は、ゴルフ用のレーザー距離計を販売しているU-CADDYの編集部が書いていますが、GPS式を悪く言うつもりはありません。
特定の製品名やアプリ名は挙げず、公的な資料やルールをもとに、仕組みと得意・苦手、向く人を整理しました。
読み終えるころには、自分にGPS式が合うかどうかを、条件で判断できるようになっているはずです。
この記事では、
- GPS式は衛星の電波とコースのデータで、グリーンやハザードまでの距離を出す
- 手前・中央・奥の距離は得意だが、その日のピン位置や測位の誤差、コースのデータの有無には弱い
- 向くのは、おおよその距離をすぐ知って、コースの状況を把握したい人
上記の3つを、順番にお伝えしていきます!
まずは、GPS式が距離を出す仕組みから、一緒に見ていきましょう!

ゴルフのGPS距離計は衛星の電波で位置を割り出す

参考: 内閣府 準天頂衛星システム
ゴルフのGPS距離計は、「いま自分がコースのどこにいるか」を知るところから始めて、残りの距離を出しています。
まずはその仕組みをおさえておくと、このあとの得意なことと苦手な条件が、すっと頭に入ってきます!
なお、ゴルフ用の「GPSナビ」「GPS測定器」「GPS計測器」や、「距離測定器」「距離計測器」と呼ばれるものがあります。
この記事では、衛星測位で距離を出すタイプを、まとめて「GPS距離計」とお伝えします。
レーザー距離計にGPSが内蔵されたものや、GPS付きのレーザー距離計もありますが、この記事ではGPSで距離を出す部分に絞って説明する形です。
GPS式とレーザー式のどちらを選ぶかという比較は、別の記事で詳しく扱っていますので、ここでは深入りしません。
衛星からの電波で自分の位置を出す
GPSは、衛星からの電波で位置情報を計算する「衛星測位システム」の1つです。
内閣府の準天頂衛星システムの説明では、衛星測位システムとは、衛星からの電波によって位置情報を計算するシステムのことです(出典: 内閣府 準天頂衛星システム)。
また、4機以上の衛星があれば衛星測位は可能だとされています。
つまりGPS距離計は、手元の端末が衛星の電波を受け取って、「いま自分が立っている場所」を割り出しているわけです。
ここで押さえておきたいのは、GPS距離計は目の前の対象までの距離を直接測っているのではなく、自分の位置を計算している、という点です。
コースのデータと照らして距離にする
ただ、自分の位置が分かっただけでは、「グリーンまであと何ヤード」という数字は出せません。
そこで使われるのが、あらかじめ端末に入っている、コースの地図のようなデータです。
GPS距離計は、割り出した自分の位置と、コースのデータにあるグリーンやハザードの位置を照らし合わせます。
そして、その間の距離を計算して表示しているのです。
ゴルフ用のGPS式の多くは、現在の位置からグリーンのエッジやハザードなどの目的までの距離を表示します。
つまり、位置を出す役割は衛星が、距離にする役割はコースのデータが担っていて、どちらが欠けても距離は出ません。
GPS距離計が得意なこと

仕組みが分かると、GPS距離計が「何を見せるのが上手なのか」も見えてきます!
ここでは、得意なことを3つに分けてお伝えします。
グリーンの手前・中央・奥の距離が分かる
GPS式では、グリーンのフロントエッジ、センター、バックエッジの距離が表示されます。
つまり、グリーンの手前のふちまで、中央まで、奥のふちまでの距離を、一度に確認できるということです。
たとえば、手前に池があるホールで「奥まで届かせたいのか、手前に止めたいのか」を考えるときに、この幅が判断の材料になります。
ピンの位置が分からなくても、「手前はここまで、奥はここまで」と幅で考えられるのが、GPS距離計の強みです。
ハザードまでの距離も同じ画面で見られる
GPS距離計は、グリーンだけでなく、池やバンカーなどのハザードまでの距離も、機種によっては同じ画面で確認できる機種が多くあります。
ハザードの位置もコースのデータに入っているため、打ち下ろしの先など、自分の目では見えにくい場所の池やバンカーまでの距離も、位置が分かれば出せます。
目の前の対象に向けて構える道具は、見えている目標までしか測れませんので、データを持つ道具ならではの得意分野です。
狙いを定めずにすぐ見られる
GPS距離計は、位置から距離を計算するので、何かに向けて構えるような動作がいりません。
アマチュアゴルファーへのアンケートでは、GPS式を使う人から、「すぐに大体の距離がわかるから、必要なクラブがわかる」「コースレイアウトが見られて、スコアも入れられて便利」という声が紹介されています(出典: みんなのゴルフダイジェスト)。
手元の画面を見るだけで足りるので、プレーのテンポを崩したくない人にとっては、うれしい特長です!
GPS距離計が苦手な条件

参考: GPS.gov(米国政府)、内閣府 準天頂衛星システム
ここまで得意なことをお伝えしてきましたが、GPS距離計には、仕組み上どうしても苦手な条件もあります。
買ってから「思っていたのと違った」とならないように、先に確認しておきましょう!
ピンの位置はその日のものを反映しない
ピンの位置は、同じグリーンでも日によって変わります。
ところがGPS距離計が持っているのは、あらかじめ作られたコースのデータですから、その日のピンの位置まで自動で知っているわけではありません。
そのため一般には、表示されるのはグリーンの手前・中央・奥の距離で、その日のピンまでの距離とは別ものと考えておく必要があります。
機種によっては、画面の上でピンの位置を動かせる機能もありますが、その日のピンの位置を確かめて動かすのは自分です。
ピンまでの距離を毎回知りたい人にとっては、ここが気になる点になるでしょう。
測位の誤差は周りの環境で変わる
米国政府のGPS.govは、GPSを使うスマートフォンの精度は、空が開けた場所で半径およそ4.9m以内が一般的で、建物や橋、木の近くでは悪くなると説明しています(出典: GPS.gov)。
これはスマートフォンの数字で、ゴルフ用の機種にそのまま当てはまるわけではありません。
それでも、衛星の電波で自分の位置を出す以上、周りの環境で位置の出方が変わるという考え方は、GPS距離計にも共通します。
日本の内閣府も、GPS衛星は都市部や山間部でビルや樹木に電波が遮られ、位置情報が安定して得られないことがあったと説明しています。
自分の位置がずれれば、そのぶん表示される距離もずれますので、木が多いコースなどでは、表示を信じすぎないほうが安心です。
コースのデータがないと距離が出ない
GPS距離計は、コースのデータが入っていてはじめて、グリーンやハザードまでの距離を出せる道具です。
コースが改修されたり、新しくできたりして、データが古いままだと、実際の位置と表示がずれてしまいます。
GPS.govも、位置が誤って表示される原因の1つとして、機器の地図ソフトの誤りをあげており、描かれた地図が不正確だったり、道路や建物が抜けていたりする例を示しています。
これは一般の位置情報の話で、ゴルフ用の機種の説明ではありませんが、データが正しいことが前提になる点は同じです。
よく行くコースのデータが入っているか、更新はどうなるのかは、買う前にぜひ確かめておきたいところです。
GPS距離計が向く人と買う前の確認点

得意と苦手が分かったところで、どんな人にGPS距離計が合うのかを整理してみましょう!
GPS距離計が向く人
次のような条件が当てはまるなら、GPS距離計が合いやすいと考えられます。
- グリーンの手前・中央・奥の距離が分かれば、番手を決められる人
- 池やバンカーなど、ハザードまでの距離をホールごとに確認したい人
- 何かに向けて構えずに、すぐ距離を見て、プレーのテンポを保ちたい人
- コースのレイアウトを見たり、スコアを入れたりもしたい人
これらは、アンケートで挙がったGPS式の使い心地を、条件に置き換えて整理したものです。
反対に、その日のピンまでの距離を狙って測りたい人は、レーザー式の特徴もあわせて見ておくと、比べやすくなります。
買う前に確かめたい点
ここでは特定の機種は挙げませんので、確かめておきたいポイントだけをお伝えします。
- よく行くコースのデータが入っているか、データの更新はどうなるか
- 日差しの下でも画面が見やすいか、ラウンド中の操作で迷わないか
- バッテリーが1ラウンドもつか、充電はどう行うか
- 距離の表示がヤードかメートルか
- 雨の日でも使えるよう、防水の表記があるか
どれも、買ってから変えられない点ですので、あらかじめ確認しておくと安心です。
【FAQ】GPS距離計の疑問

参考: R&Aゴルフ規則 規則4、GPS.gov(米国政府)
最後に、よくある疑問に短くお答えします。
競技会で使えますか
R&Aのゴルフ規則では、距離測定器などで距離や方向の情報を得ることは、プレー中に使ってよい行為として示されています(規則4.3a。出典: R&A ゴルフ規則 規則4)。
一方で、高低差を測ることや、距離の情報をもとに推奨するクラブ選択などを得ることは、認められていません。
GPS式には高低差を表示できる機種もありますので、その機能が使える状態で出てよいかは、大会の案内で確認してください。
また、大会の主催者である委員会は、距離測定器の使用を禁止するローカルルールを定めることもできます。
競技会に出るときは、その大会の競技規定とローカルルールを、事前に確認してください。
木や建物が近いと誤差は大きくなりますか
大きくなることがあります。
GPS.govは、建物や橋、木の近くでは精度が悪くなると説明しています。
ただし、どのくらいずれるかは、機種や衛星の見え方によって変わりますので、一概には言えません。
気になる場合は、ラウンドの前半に、見通しのよい場所で表示を確かめておくと、そのコースでの癖がつかめます。
新しいコースでも使えますか
使えるかどうかは、そのコースのデータが入っているかで決まるのです。
新しくできたコースや、改修されたコースは、データが追加・更新されるまでは、距離が出なかったり、ずれたりすることがあります。
買う前に、よく行くコースが対象になっているか、データの更新はどのように行うのかを、ぜひ確認しておきましょう。
まとめ:得意と苦手を知って選ぼう
ここまで、ゴルフのGPS式の距離計について、仕組みと得意なこと、苦手な条件、向く人をお伝えしてきました。
- GPS式は衛星の電波とコースのデータで、グリーンやハザードまでの距離を出す
- 手前・中央・奥の距離は得意だが、その日のピン位置や測位の誤差、コースのデータの有無には弱い
- 向くのは、おおよその距離をすぐ知って、コースの状況を把握したい人
GPS距離計は、グリーンの手前・奥やハザードまでの距離を、すぐに把握するのが得意な道具です。
その代わり、ピンの位置や周りの環境、コースのデータに左右されますので、苦手な条件を知ったうえで使うのが近道です。
得意と苦手を知っていれば、「思っていたのと違った」を減らせて、ラウンド中の迷いも少なくなるはずです!
まずは次のラウンドで、自分が距離で迷う場面が「手前・奥の幅」で足りるのか、「ピンまで」が必要なのかを、思い浮かべてみましょう。
最後に、補足を1つだけ。
ピンまでの距離を正確に測りたいと感じた方にとっては、レーザー式という選択肢もあります。U-CADDYのレーザー距離計 POCKET PRO(Amazonの商品ページ)は、ヤード専用設計で、重さは113gのカードサイズ、ピンサーチ機能やマグネットを備えています。買うかどうかは、ご自身の使い方に合うかどうかで決めてください。
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